今回は、詩人、ジャン・ド・ラ・フォンテーヌの格言をご紹介
“Nothing is more dangerous than a friend without discretion; even a prudent enemy is preferable.” –Jean de la Fontaine
無知な友人ほど危険なものはない。賢い敵のほうがよっぽどましだ。
ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ(1621-1695)
【本日の格言解説】
これは、17世紀フランスの詩人、ジャン・ド・ラ・フォンテーヌが残した言葉です。
このフォンテーヌは、イソップ寓話や神話を元にした寓話詩を沢山残していて、フランスでは誰もが知っています。彼は、ルイ14世の長男の教育の為にイソップ寓話を、分かりやすい詩の形式に書き直したのだとか。
彼の寓話は「オオカミとイヌ」、「ロバとイヌ」「ウサギとカエル」といった題名のものが多く、人間の愚かさや人生の教訓を、動物に置き換えて例えています。どちらかというと大人向けで、大人だからこそ分かる皮肉がきいていたりします。
例えば、”The argument of the strongest is always the best.(最強者の理屈がつねに最上とされる。)”は、「オオカミとヒツジ」というタイトルの寓話。
子羊が川で水を飲んでいたらオオカミがやってきて、「お前は何故俺の水を濁らせるんだ?」と、イチャもんをつけてくる。
オオカミより川下で水を飲んでいた子羊は、それを言うと、「お前は去年俺の悪口を言った」と、別のイチャもん。それには「私はその時はまだ産まれていませんでした。」と子羊。
しかし、「ならばお前の身内の誰かだろう。羊や羊飼い、犬は俺に容赦ない。だから仕返しするのだ」と言って、結局その子羊を食べてしまったというお話。
モチロン、最強者の理屈が常に正しいということは無いですが、そのように横暴を働く人を皮肉っている、そしてそういう現状もある、というのを哀れんでいる、というものです。
インターネット上でもいくつか読めるものがあるので、興味のある方は是非読んで見てください。
今回の名言が一体どの寓話に当てはまるのか、探してみると楽しいかもしれません。