<アメリカで演説聞こうとした日本人→黒スーツに目を付けられた末路>こんなとこだよアメリカ[#27]
(前回からの続き)私の大学に、アメリカ大統領の予備選挙の為、候補者が演説に来るという事で1万人以上収容できるアリーナに並んだ私でしたが、2時間半前に到着するも長蛇の列。
並んでいると行列から人を連れ出していく黒スーツ&サングラスの二人組が現れ、そして私の前にピタっと止まったのでした。
訳も分からず「私はアジア人ですが善良な一般市民です…!」などと言い訳を考えていると、黒スーツがおもむろに声をかけてきました。
話を聞いてみると「君、壇上後ろの席に興味はない?」と言うのです。
テレビで見たことはありませんか?
候補者が壇上で演説している後ろにいる、スローガンが書いてある厚紙や帽子を被った支持者たちを。
そう。黒スーツ達は不審者を連れ出している訳ではなく、候補者のマーケティングチームで、今日の演説の後ろに映す支持者を探していたのです!
アメリカ大統領選挙のマーケティングの凄いところは、テレビに映るであろう人はこのように厳選して立つ位置や人、手にもつアイテムも微調整している点。
マイノリティーにアピールしたい時は、黒人やアジア人、ヒスパニックを多めにし、富裕層にアピールしたい時は上品な服装の白人を多めに、など。
私は白人の友人と一緒に並んでいたので、その時は空気を読んで遠慮しましたが(選挙権もないですしね)アメリカの全国放送で、大統領候補者の後ろに映るだなんてなかなかない経験だったはず!と今でも後悔しています…。
時間が来て会場に入ると、中は見違えるほどのアメリカ国旗色で装飾されていました。
会場は演説開始時間前から学生の好きそうな音楽が大音量でかかり、選挙スタッフが配ったスローガンの厚紙や旗などの応援グッズがあちこちで掲げられ、有名シンガーのライブかな?と思うほど盛り上がりを見せていました。
時間になると会場は暗くなり、スポットライトで照らされた候補者が壇上まで軽やかに駆けながら登場!
この「走って壇上に向かう」のは若々しいエネルギッシュな人物を演出するのに頻繁に使われる手法なのですが、何といっても私は演説のすばらしさに感動しました。
難しい単語を使わず、重要なことを言う前の短い間の使い方や、小話・ジョークを適度に混ぜる時の印象の変え方には、会衆を引き込むカリスマ性を感じました。
たまに入るアドリブも本当に面白く、「もっと話を聞いていたいと思わせるこんな人が大統領になるんだろうな」と思っていたら、彼は予備選挙でヒラリー・クリントン氏を破り、本選挙で共和党のジョン・マケイン氏を破って第44代アメリカ大統領になったのです!
そう、私が生で演説を聞くことができたのは、日本でも有名なバラク・オバマ氏!
アメリカの大統領選挙は本当に面白いので、機会があればぜひ見に行ってみて下さいね。
次回は、アメリカが本気を出すサンクスギビングのセールについてご紹介します!
今回の記事で気になるアメリカの選挙ですが、【共和党と民主党は英語で何て言う?】も記事でチェックしよう!