<突然車椅子なんてどうしたの!?→一緒に働いていた米軍兵士に何が…>米軍基地で働いてみた[#81]
今回も私がアメリカ軍基地で働いていた時のお話です。
米軍基地の職員は私のような一般人や退役軍人ばかりではありません。実は、現役の兵士もアルバイトのような形で働いていることがあるのです。
基地には、2ヶ月程度の短期トレーニングで滞在する兵士も多くいますが、「permanent」と呼ばれる常駐兵士は数年単位で駐留します。
そんな兵士達は基本的に週休2日制ですが、訓練内容や規模などで場合によっては休日が増えたりするので、そんな日にアルバイト的に基地内施設の仕事をする兵士もいるんです。
そんな兵士達の一人がリカルド。
彼は週に1~3日数時間だけ基地内の施設で働き、私たちと一緒にイベントの準備をしたり、進行補助や片づけを手伝ってくれました。
ある日、リカルドがニコニコしながら話しかけてきて、「最近、母国で4人目の赤ちゃんが生まれたんだ!」と嬉しそうに写真を見せてきます。
赤ちゃんはリカルド待望の女の子だそうで、「僕のプリンセスだよ!」と大喜びでした。
かわいいオモチャや洋服をたくさん買ってあげたいから、バイトも頑張っているんだ!と目じりが下がりっぱなしです。
訓練だけでも大変なはずなのに、家族のためにアルバイトまでこなす彼は、本当に家族思いの素敵なパパでした。
そんなある日、リカルドがふと私たちのオフィスに現れたのですが、車椅子に乗ったその姿に全員が固まってしまいました…。
聞けば訓練中にケガをしたとのこと……痛々しい姿にみんな驚いて「大丈夫?無理しないで!」と声をかけましたが、「みんな、ありがとう。」と、本人はいたって落ち着いた様子。
しかし、それからしばらくすると、リカルドがこれを機に転職を考えているという噂が…。
妻の子育ての負担を減らしたり、家族の側で安全な仕事をしたいと上官やマネージャーとも真剣に話し合いをしている様子。
それからしばらくして、ついにリカルドが退職して帰国することが決まってしまったのです。
1年半、一緒に働いてきた仲間ですから、私たちスタッフは寂しさを感じながらも、ささやかな記念品を贈り送別会を開き、盛大に送り出しました。
なんだか家族の出国を見送るような気持ちでしたが、リカルドも笑顔で「みんなのことは忘れないよ、元気でね!」と手を振りながら去って行ったのです。
しかし、実は私たちが想像もしていなかった事態が発生していたのですが、お話は次回に続きます!
今回の記事で気になる米軍兵士ですが、車椅子生活に必要な【バリアフリーは英語で通じない?】も記事でチェック!