今回は、物理学者、オッペンハイマーの格言をご紹介
“The physicists have known sin; and this is a knowledge which they cannot lose.” –Oppenheimer
物理学者は罪を知ってしまった。それは決して忘れることのない知識だ。
オッペンハイマー(1904-1967)
【本日の格言解説】
1904年の4月22日に誕生した、ユダヤ系アメリカ人物理学者のロバート・オッペンハイマー。
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彼は、第二次世界大戦当時、「マンハッタン計画」と呼ばれる、原子爆弾を開発し製造するための計画のリーダーでした。
ちなみにオッペンハイマーは元々ブラックホールの研究をしていたそうです。
1945年、7月16日に世界初の原爆実験が行われ、この時は人を巻き込まない実験だった為、その威力と成功を確認したオッペンハイマーは、原子力の強さに満足したといいます
しかし、実際に長崎・広島に原爆が投下され、何十万人という犠牲者を出した惨状を知った彼は、マサチューセッツ工科大学の講義でこの言葉を口にします。
彼は、自分が原子爆弾の開発を主導してきたことを後悔し、以降の核兵器開発に否定的になり、新たに開発された原爆よりも更に強い威力を持つ水素爆弾に対しても反対運動をしてきました。
そして、戦争が終わると、湯川秀樹博士などの日本人学者がアメリカで研究出来るよう、尽力したといいます。
原子力には平和利用と軍事利用とがありますが、平和利用の際にも危険が常に背中合わせであることには変わりません。
平和の為に利用していた原子力が突然牙を剥いて人類を危険に晒す、人類はこれから原子力とどのように向き合っていくべきなのでしょうか。