<この兵士怪し過ぎる…!→クレジットカードを出ししぶる理由は?>米軍基地で働いてみた[#14]
今回も米軍基地で働いていた時のお話です。
今でこそスマホひとつで済むほど決済方法は多種多様ですが、私がレジ担当していた当時の支払いは、もっぱらカードか現金、または小切手でした。
カード大国のアメリカだけあって、ほとんどの兵士はクレジットカードで支払います。
ある日、レストランでレジを担当していると、ひとりの兵士がやってきました。
ランチを注文し終わり「お支払い方法は?」と聞くと「カード払いで」と答えます。
レジでカード払いに設定し「OK。カードをスワイプして下さい。」と伝えますが、彼はなぜか一向にカードを出す気配がありません。
それどころか「君のネイル素敵だね」などと関係ない話をし始めるのです。
「え!まさかカード忘れてキャッシュ…!?」と、焦る私を置き去りに、無情に時は流れて行き、レジのシステム上、自動的にカード番号を手入力する画面に切り変わってしまいました…。
「あーあ…」と心の中でため息を着く私ですが、これこそが彼が待っていた瞬間だったのです。
彼がようやくおもむろに取り出したクレジットカードは見事なくらいボロボロで、まるでジグソーパズルのピースを組み合わせてテープでぐるぐる巻きにしたような状態…。
彼は手慣れた手つきで、端末にカード番号やコードを入力し確定ボタンを押しながら「アメリカに帰らないと新しいカード再発行できないからさ!」と言うのです。
ここで、「ん?」と気が付いた私が「この基地に滞在中の支払いは、全てこのカードを使うつもり?」と聞くと、「Absolutely!(もちろん!)」とニヤニヤ笑う兵士。
勇敢な戦いの歴史(?)が刻まれ、魂が宿ったカードなのかもしれませんし、戦場を共に渡り歩いた愛着のあるカードなのでしょうか…?
いかんいかん、第7話の態度が悪い女性兵士のお話のように、どうも私は勝手に想像して美化しがちです。
こんなカードになった理由を聞きたいけど「Ignorance is bliss.:知らぬが仏」。
結局、ボロボロカードの謎は解けないまま数か月後、彼はアメリカに帰国して行ったのでした。
次回は、兵士の中でもひときわ目立つ女性兵士の恥ずかしい一面をご紹介します!
今回の記事で気になるクレジットカードですが、【カード払いは英語で何て言う?】も記事でチェックしよう!