<上下関係が厳しい米軍基地→アレだけは全員が平等だった>米軍基地で働いてみた[#17]
今回も、私が米軍基地で働いていた時のお話です。
湿度が高い日本の暑さは、軍服や重装備で訓練をする兵士にはことさらこたえるようで、屋外訓練を終えた兵士達は、汗だくでランチに来ると「もっと温度を下げて!」と言います。
しかしこの基地の空調は曲者で、設定温度を1℃下げただけで極寒の冷気が出てくるのです。
私は唇が青くなり骨が痛くなるほど…。
それなのに、1℃上げると生温い…と極端で、この基地に「最適温度」は存在しません。
どうにかして欲しいとマネージャーにお願いしても埒が明かないので、しびれを切らした私は、直接設備担当に空調の調整をお願いする事にしました。
現れた三人組は、機械をちょいちょいといじり「問題ない、直ったよ!」と満面の笑み。
「え?もう?凄いさすがプロ!ありがとう!」とお礼を言うと「It’s a piece of cake.」(朝めし前さ)と余裕しゃくしゃく。
しかし、早速電源を入れてみると極寒の冷気か生暖かい温風…と、修理前と何も変わっていません…。
翌日、めげずに同じ修理依頼をしたところ、面倒くさいと思われたのか、なんと空調の温度を極寒の冷気が出る25℃から変更できないように固定して、「Perfect!」と帰って行きました。
固定された設定温度は25℃になっていますが、体感温度は15℃位に感じます。
大柄で暑がりなマネージャーは「ここは涼しくて天国だね!」と上機嫌ですが、ふと室内を見渡すと開け放した窓辺にたむろする兵士の姿が…。
なんと、寒すぎて窓を開けて暖をとっているじゃないですか…。
私も仕事を終え施設から出ると暖かさ(暑さ)にホッとして、「あーあったかい!」と呟きながら何気なく士官用の部屋がある2階を見上げると、窓辺で暖をとる上官の方々が。
上下関係が厳しい軍隊では、上級士官しか利用できない施設があるなど、日常生活でも階級により厳格な差がありますが空調の効き具合は平等なようです。
ちなみに冬は空調はこれまた極端な極暖仕様。赤い顔をして窓を開けて涼んでいる兵士達を横目に見て、
「やっぱり、みんな寒いんじゃん!」と苦笑しながら快適な温度の車で家路を急ぐ私です。
次回は基地の驚きのサウナ&トイレ事情をご紹介します!
今回の記事で気になる基地内の空調ですが、【冷房は英語で何て言う?】も記事でチェックしよう!