今回は、哲学者、バールーフ・デ・スピノザの格言をご紹介

“Pride is pleasure arising from a man’s thinking too highly of himself.” –Baruch De Spinoza
高慢は、人間が自己を他の人よりすぐれていると思うことから生じる喜びである。
バールーフ・デ・スピノザ(1632-1677)
【本日の格言解説】
think highly of~: ~を高く評価する
バールーフ・デ・スピノザは、マラーノと言って、強制改宗させられた表面上はキリスト教徒になったユダヤ人でした。
彼はユダヤ教について学んでいきますが、哲学的な思索を重ねていくにつれて、ユダヤ教の教えと自分の考えが矛盾していることに気付き、またそれを主張したことによって、ユダヤ共同体から追放されてしまいました。
当時、ユダヤ共同体から追放されるということは、社会的立場を失うことでしたが、彼を応援してくれている人たちのお陰で、貧困には苦しまずに執筆生活をしていました。
スピノザといえば、「エチカ」という著書が有名です。

エチカ―倫理学 (上) (岩波文庫)
スピノザは『エチカ』の中に自己の哲学思想のすべてを結集させた。典型的な汎神論と決定論のうえに立って万象を永遠の相のもとに眺め、人間の行動と感情を嘆かず笑わず嘲らず、ただひたすら理解しようと努めた。ドイツ観念論体系成立のうえに大きな役割を演じ、また唯物論的世界観のすぐれた先駆的思想でもある。
この「エチカ」は、13年もかけて執筆されましたが、生前には出版されず、彼の死後ようやく出版されたのでした。
かの有名な精神分析学者のフロイトや、ニーチェに影響を与え、あのアインシュタインに至っては「私はスピノザの(言う)神を信じる」と言わせるなど、現在でもスピノザの哲学は多くの人々に影響を与えています。
ちなみにサンリオのキャラクター「シナモロール」が「エチカ」について解説してくれている本があります。

シナモロールの『エチカ』 感情に支配されないヒント (朝日文庫)
スピノザの哲学書『エチカ』には、 感情を上手にコントロールして 気持ちのいい人付き合いをするためのヒントが満載。 喜び、悲しみ、憎しみはどこからくるのだろう……。 その理由をシナモンと探そう。 大好評「Ichigo Keywords」シリーズ第6弾。
シナモロール、凄いですね!
かわいいイラスト付きなので、哲学書が気になったら、手に取ってみるのもおすすめです。