今回は、詩人、ホラティウスの格言をご紹介
“Anger is a brief, or a momentary, madness.” –Horatius
怒りは突然の、あるいは、一時的な狂気である。
ホラティウス(BC65-BC8)
【本日の格言解説】
今回は、「怒り」に関する格言をご紹介。
この格言は、古代ローマ時代の南イタリアの詩人、クィントゥス・ホラティウス・フラックスによるもの。
一般的には、ホラティウスと呼ばれています。
ホラティウスは、ローマ帝国の初代皇帝・アウグストゥスと同時代に生きたラテン文学黄金期の詩人で、ヨーロッパ文学史上、ラテン文学で最も重視される詩人・ウェルギリウスと並んで評価されている人物です。
ラテン文学が黄金期を迎えていた時に活躍した彼は、アリストテレスの「詩学」と共に、西欧文学に多大な影響をおよぼしています。
解放奴隷の子供として生まれた彼は、貿易の盛んな地域で育ったためか、言語理解能力が高く、自らの社会的地位を向上させていきました。
ちなみにホラティウスが詩作を始めるきっかけとなったのは、ブルートゥスが起こしたカエサルの暗殺事件。
この時勃発した内戦によりホラティウスは敗北を経験します。
無一文になったホラティウスは、仕事の傍ら詩作を始め、そこからウェルギリウスと親交を持つようになります。
さらにアウグストゥス帝とも繋がりを持つようになり、秘書に任命されるも、詩人の自由を守るためにこれを辞退したのだとか。
ラテン語の賛美歌[Carmen Saeculare](世紀讃歌)はアウグストゥスの命を受け、ホラティウスが作詞したものです。
さて、今回の格言ですが、自分の能力で苦境を乗り越え、皇帝の信頼を得るまでに達した彼でも、どうしようもない怒りに苛まれることがあったのですね。
でも、それも一時的なもの。
現代では「怒りのピークは6秒」なんて言われています。
6秒間だけ我慢して冷静になれば、怒りの原因は、あなたが感情をむけることすら勿体無い、大したことのないものかもしれませんよ。