今回は、詩人、ジョン・キーツの格言をご紹介

“Nothing ever becomes real till it is experienced. Even a proverb is no proverb to you.” –John Keats
経験するまでは、何事も本物ではない。ことわざでも同じことだ。
ジョン・キーツ(1795-1821)
【本日の格言解説】
「世界で最も美しい詩」を生み出したとされる、イギリス人詩人のジョン・キーツ。
ロマン派として知られ、当時は政治的な詩が多かった中、彼は自然美や人間美を大切にした作品を作り出していきました。
キーツの人生は決して安定して幸せとはいえないものでした。
彼の父親はキーツが9歳の時に落馬事故で、母親はキーツが15の時に結核で亡くなっています。
さて、中学校に入ったキーツは、クラークという教師に出会い詩にのめりこんでいきます。
もう少し先の話になりますが、リー・ハント、シェリーと言った先輩詩人をキーツに引き合わせたのもこのクラーク。
このリー・ハントという先輩詩人はリベラル派で、保守派や皇太子を批判し、不敬罪で逮捕されたことも。そして出所したハントは、リベラルの英雄と呼ばれることに。
そして1818年に、キーツが叙事詩「エンディミオン」を出版しますが、これが反響を巻き起こします。しかし、これは良い評価では無く、辛辣な批判がほとんどで、ハントを敵対視する勢力によるものだったとか。
キーツはこれに深く傷ついたようです。
この頃から結核の症状に苦しみ始めたキーツ。母親を結核で亡くしていますが、弟も結核でこの世を去っていました。
キーツは、ハントの元へ引っ越しますが、そこでファニー・ブローンという女性に出会い、恋をします。しかし、結核を患う彼は、彼女との結婚を諦めます。
そして1821年、わずか25歳で短い生涯を閉じました。
彼のお墓は、亡くなった当時に旅行していたローマに建てられています。
さて、そんなキーツの名言は、何事も経験で、自分自身でそれを経験するまでは物事は「リアル」では無い、ということ。
そして、ことわざや名言も同じく、その言葉を残した人達は経験したからこその言葉を残しているのであって、いくらことわざを口にしようとも、自身が経験していなければ「リアル」ではない、ということを言っているんですね。
25年という短い生涯でしたが、キーツは色々な経験をして、美しい、珠玉の作品を生み出したのでしょう。
