＜軍隊で「上官の命令は絶対」とは言うものの…→さすがに限界超え過ぎてますよ！？＞米軍基地で働いてみた[#34]
今回も私が米軍基地に勤務していた時のお話しです。
突然ですが、皆さんはMUDRUNってご存知ですか？
私は、「泥んこレース(MUDRUN)」なんて米軍基地で働くまで知りませんでしたが、文字通りドロドロになった道を走って競争するスポーツイベントです。
泥により足元が不安定になり、抵抗も大きく、通常のランニングより高いレベルの体力や筋力、バランス感覚、柔軟性が必要となるので兵士の身体能力を高めるには最適なのかもしれません。
そんな基礎知識もなかったある日、赴任してきた司令官が突然「半年後に基地でMUDRUNをやる！」と言い出したのだから大変です。
だって、軍隊では上官の命令は絶対なのですから！
もちろん普段の生活では経験できない事をイベントとして開催する事で、兵士達のリフレッシュになるのかもしれませんが、基地に泥のコースを作るなんて、ちょっと考えただけでめまいがしそうです…。
当たり前と言えば当たり前ですが、泥んこレース「MUDRUN」をイベントとして開催した経験がある人など基地のスタッフには誰もいません。
何から手をつければ良いのやら見当もつかないなか、気の毒だったのは就任したばかりの新人マネージャー。
就任早々、ボスと司令官への挨拶に趣き、そのままMUDRUN会議に同席して戻って来ました。
当然、ボスからイベント開催に向けて指示があるものと思っていたマネージャーに伝えられた言葉は「あとは任せた、よろしく頼むよ！」というまさかの丸投げ…。
コースの設定に何が必要？距離測定はどうやるの？会場設営や土を掘り返す為の重機の手配、給水車って借りられるの？…と、全てが謎。
「人生で給水車の手配することになるなんて…」とポツリと言った彼女の苦悩が伝わってきます…。
お気の毒ですが、経験もなく担当も違うド素人の私は、見守る事しか出来ず無力でした。
MUDRUN経験者の兵士も手伝ってくれましたが、ただの参加者と主催者とでは必要な知識やノウハウがまるで違います…。
インターネットで調べまくり、参加者の募集をはじめ、コースの設定、重機で掘り返してコースづくり、土壌検査や障害物の設置などなどなど、やることは山積み…。
司令官に指定されたMUDRUNの開催日が刻一刻と近づいてきますが、果たして無事に開催できるのか…お話は次回に続きます。
今回の記事で気になる上司からの無茶苦茶な指示ですが、【無茶ぶりは英語で何て言う？】も記事でチェックしよう！
