今回は、第37代アメリカ合衆国大統領、リチャード・ニクソンの格言をご紹介

“A man is not finished when he is defeated. He is finished when he quits.” –Richard Nixon
人間は負けたら終わりなのではない。辞めたら終わりなのだ。
リチャード・ニクソン(1913-1994)
【本日の格言解説】
ニクソンと言えば、「ウォーター・ゲート事件」で、任期中に辞職した初の大統領ということで知られています。
ニクソンは、第34代大統領アイゼンハワー政権で副大統領を務め、国民の支持を得るものの、次期大統領選挙では対抗馬のJ・F・ケネディに敗北し、政界から身を引いて弁護士に。
しかし彼は、8年後の1968年の大統領選挙への出馬を決意したのでした。そして民主党大統領候補のH・ハンフリーを僅か1.2%で破り、見事、大統領の座を手に入れたのです。
「ベトナム戦争からの名誉ある撤退」を公約として掲げていたニクソンは、大統領就任後4年以上かかってベトナム戦争からアメリカ軍を撤退させました。
その他、中国との国交樹立や、市民の健康や自然保護を目的としたアメリカ環境保護局の設立、国内で主に若者の間で流通していた麻薬の取り締まり強化などで一層国民の支持を得て、1972年の大統領選挙では圧倒的大差をつけて勝利したのでした。
しかしこの時、野党である民主党本部があるウォーターゲート・ビル内に盗聴器を仕掛けた人物が逮捕された事件に、ニクソン大統領が関わっているということが明るみに出ます。
また、この事件を捜査していたFBIへの妨害を画策していたことも分かり、弾劾の決議を受ける流れになると、1974年8月、ニクソンは自ら大統領の職を辞すことに。
これが「ウォーター・ゲート事件」と呼ばれる、アメリカ最大の政治スキャンダルでした。
このように、評価されるような政策も打ち出しましたが、辞職せざるを得なかったような事件を起こしたこともあり、国民からの人気は高くないようですが、彼は「偉大な功績を残した歴代大統領の1人」としての評価を受けているようです。
ちなみに2011年に終了するまで、実に135回もの打ち上げを行ったスペースシャトル計画(毛利衛さんや向井千秋さん等、日本人宇宙飛行士も度々搭乗し、日本でも話題になりました)の進行を正式に決定したのもニクソンでした。
さて、大統領選に破れ一度は政界から引退するものの、見事に返り咲いたニクソンによるこの名言には説得力がありますよね。「負けた」時ではなく、自ら「辞めた」時、それが本当に終わりの時なんですね。
