
<フランス人、仕事ナメ過ぎ疑惑→パン屋で働く同僚の衝撃発言>フランスは今日も平常運転[#1]
日本のパン屋で10年働いた私は、本場でパンを勉強するために、夢だったフランス留学を果たしました。
今回のお話はフランス留学中に学校のプログラムとして向かった、インターン(フランス語でスタージュ)先のパン屋が舞台です。
気さくなフランス人男性、マックスとノエルの2人と共に和気あいあいと働く、楽しい環境でしたが、働き始めて1週間が経ち、仕事にも少し慣れてきたある日、ノエルが事故でケガをして来られないと、マックスに言われたのです。
彼ら2人のほかにスタッフはいないのか聞いてみると、「店長はバカンス中だよ」とまさかの返事が!
ちょうど季節は7月はじめで、フランスでは子供から大人まで待ちに待ったバカンスの時期。
学校は2か月の休みに入り、大人も1ヶ月はまとまった休みを取ります。
「店が大変でも帰ってこないんだ…」という私の感想はさておき、マックスいわくバカンス中の店長は再来週に帰ってくるとの事で「2週間マックスと乗り切ればいい!」と覚悟を決めた私に、彼は衝撃の事実を伝えてきました。
「僕も来週からバカンスなんだ!」

少年のようなワクワクした笑顔で言われても、私にとってはもはや死刑宣告!
バカンスから店長が帰ってくるまでの1週間、この店にインターン中の私しかパンを作る人がいなくなるんです…!
「仕事はバカンスのために仕方なくするものだからね」と笑顔で言うマックスを見ながら、あまりのカルチャーショックに私は言葉を失ってしまいました。
同僚がケガしようが、インターン中の外人女(私)が1人になろうが、仕事よりバカンス優先だとは…!
周囲への思いやりは日本人の美徳ですが、個性を大切にする(ある意味自由な)フランスでは逆に振り回されてしまいがちです。
その後、マックスがバカンスに出かけ、自分しかいなくなった厨房を1週間なんとか守り抜いた私は、店長がバカンスから帰って来るやいなや「もう1人でできるよね?」と、店長を残してインターンを切り上げたのでした。
「郷に入っては郷に従え」ですね。
次回は、フランス生活で私が一番頼りにしていたアレをご紹介します!
今回の記事で気になるパン屋さんですが、食パンの外側【パンの耳は英語で何て言う?】も記事でチェック!