＜松葉杖の兵士がクラブから連れ去られる→私になんでそんなお願いするの？＞米軍基地で働いてみた[#39]
（前回の続き）基地のクラブに松葉づえをついて一人でお酒を飲みにきた兵士がいました。体の不自由な彼の為にお酒をテーブルまで持っていってあげて、彼がお酒をのもうとしたその時。
突然現れた兵士たちに囲まれ、すったもんだの挙句、飲みかけのお酒を残し、彼は連れ去られてしまったのです。
机に残されたお酒のカップを見つめ、困惑する私でしたが、いつまでも気にしていられないので、コップを片付けて仕事に戻りました。
しばらくしてカウンターで洗い物していると、突然口笛が聞こえたので顔を上げ辺りを見回すと、先程連れていかれた松葉づえの兵士と、もう1人別の兵士が柱の陰から私に手招きしています。
そして、おもむろにカードを出し「Two Jack Coke（ジャックコークを2つください）」と言うのです。
しかも、何故か周りを気にしながらめっちゃ小声で注文するので、むしろ注目を集めています。
前回お話したように、米軍基地の規定ではアルコールは一度に2杯までなら注文オッケーなので、彼らの注文には全く問題は無いのですが、一体何を気にしているのでしょうか…？
「それはそうと、さっきは急に帰ってどうしたの？」と聞いてみると「ちょっと答えられないんだ。」と彼が答えたその時です。
またしても兵士たちがドカドカやってきて、私達の方を見て「お前らは～！」と近づいてきます。
「何かありましたか？」と、私が前に出て訪ねると、兵士たちはため息をつきながら私に説明を始めました。
どうやら松葉づえ君は「怪我が治るまでアルコールは控えるように」とドクターから言われているとの事。
そもそも、彼の怪我の原因は米軍基地の外で居酒屋に行って飲み過ぎ、酔っ払っての怪我だそうで、上官からも「アルコール禁止」を言い渡されているにも関わらず、隙を見てはお酒を飲もうとするので、監視するよう仰せつかったそうです…。
怪我をして、上官にも医者にも「NO ALCOHOL!：アルコール禁止！」と言われていても、カップをくわえピョンピョン跳ねてまで飲みたいなんて、もはやアルコール依存症と言ってもいいくらい。
節度を守って、楽しくお酒を飲んで欲しいものです。
次回は、米軍基地では必ず騒動になるロッカー問題をご紹介します！
今回の記事で気になるお酒好きの兵士ですが、【ドクターストップは英語で通じない？】をチェック！
